道徳の教科化はいつから?北野武が提唱する『新しい道徳』とは

北野武 新しい道徳


 

小中学生の「道徳」が「特別の教科」として、正規の教科に格上げされる話はご存知でしょうか。

2018年から実地される、この「道徳の教科化」。

問題はないのでしょうか。

 

一部の団体は、道徳の教科化は愛国心を植え付け、戦争する人材を増やすのが主な目的だと、反発しているようです。

そんな中、出版された北野武著『新しい道徳 「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか 』(幻冬舎)。

世界の北野が道徳に関してどんな発言をするのか、とても興味がありました。

こちらではこの『新しい道徳』はどんな本なのか、少し見ていきたいと思います。



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本の概要

この本は、まえがきとあとがきを挟んで、全体が5章に分かれています。

第一章 道徳はツッコミ放題
第二章 ウサギはカメの相手なんかしない
第三章 原始人に道徳の心はあったか
第四章 道徳は自分で作る
第五章 人類は道徳的に堕落したのか?

第一章で既存の道徳教科書へのつっこみ、第二章でインターネット社会の問題点から道徳を論じます。

第三章は歴史から、第四章で道徳は教えられるものではないこと、結論の第五章では著者の提案、という流れ。

 

特に第一章で道徳の教科書にツッコミを入れているのですが、その道徳の教科書は、文部科学省のホームページにアップされてます。

この教科書と合わせて読むと、著者の毒舌をさらに楽しみながら読み進めることが出来るはずです。

→ 文部科学省:道徳教育のページ(小中学校の道徳の教科書がアップされてます)

 

感想

そもそも道徳って何でしょうか。

北野武著『新しい道徳』の最初のページには、

芥川龍之介『侏儒の言葉』の一部がが引用されています。

 

言葉を変えて簡単に書くと、

「良心は道徳を造るが、道徳は良心を造らない」

という意味だと思います。

 

確かによくよく考えてみると、道徳を学んだからといって、良心が生まれるとは限りません。

教科化する問題点で考えられるのは、学校での評価は見た目で判断されること。

だから、いい子と思われるためにどうしたらいいのか、いわばハウツー的な授業にならないか、個人的に少し心配しています。

それは道徳でなくて、マナーの方になるのかも。

 

著者はこの辺りを全編にわたって、様々な角度からつっこんでいくのですが、本当に面白い。

広い視点から色んな考えが次々と出てくるので、著者の頭の中はいったいどうなっているのか不思議です。

ちなみに、一部の団体が懸念しているようなことは、全く書いてありませんでした。



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まとめ

副題にもある、「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか。

著者いわく、「人が群れる動物」だから。

 

人間の価値観は様々で、時代によっても道徳観は変わります。

他の動物が変わらない中、なぜ人間だけがこのように多様になるのか。

 

その理由として著者は、人の群れだけが年々大きくなっているからだといいます。

それは人にとどまらず、絶滅しかけている動物をも保護しようという運動からもよくわかりますよね。

そんな時代に、昔ながらの道徳を押し付けてもうまくいくはずがないとのことです。

 

凶悪犯罪は年々減っていることはよく耳にするところです。

でもテレビで見る限り、若者よりも、道徳を教える側の年齢層の犯罪が目立つのではないでしょうか。

道徳教育を徹底しないと、子どもがおかしくなってしまうなんていうのは、年寄りの錯覚でしかない。錯覚でしかないのだけれど、彼らはそれを「いいこと」だと思い込んでいる。(中略)

古くさい道徳を子どもに押しつけたって、世の中は良くなんかならない。そんなことより、自分の頭で考え、自分の心で判断できる子どもを育てる方が大切だろう。そのためには、まず大人が自分の頭で考えることだ。(190ページより)

全く同感です。

 









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