日本の真実の歴史がわかる!「世界にもし日本がなかったら」感想

池間哲郎「世界にもし日本がなかったら」


 

戦後教育で意図的に教えられていない、数多くの逸話があるのをご存知でしょうか。

今回『世界にもし日本がなかったら 』(池間哲郎著・育鵬社)を読んだのですが、ほとんど知らないことばかりだったのでかなり衝撃を受けました。

勉強されている方はすでに常識だと思いますが、海外で神格化されていたり、戦争が終わり武装解除した時を狙って侵攻してきた敵を、命がけで防いでくれた(北海道のことです)日本人のこと、などなど。

そして多くの偉人が日本の教科書には載っていない現実。

日本人の再生を恐れるあまり、アメリカが日本人を骨抜きにする政策を進めたことは仕方ないにしても、

今の日本の礎になった、特に戦中に活躍した日本人を知ることは、自分の存在価値に気づくためにもとても必要なことだと感じました。

 

昔、多くの偉人たちが自分の身を犠牲にして多くの人々を救った功績は、必ず形や心の面で後世に反映していると信じます。

その行動力の源は、自らの命をかけてまで守らなければならなかった多くの命が目の前にあったからに違いありません。

ただ同じ状況になったときにいくら技量があったとしても、皆が皆同じ行動はとれないのではないでしょうか。

最後はやはり精神力、そしてその基礎になったのは日本の教育であることは、戦後の墨塗り教科書を見ても明らかです。

 

昔も今も、普通に生きる人は誰しも戦争は望みません。でも植民地になれば有色人種はどのような扱いをされるのか、少し意識して調べれば見えてくるものは多いです。

戦争は嫌って当然ですが、当時日本を守るために戦った人々まで否定することは、あってはならないと思います。

その事実について学び感謝する気持ちが、当時命をかけて日本を守り、死んでいった人々に報いることであり、また今に生きる私たちがよりよく生きることに結びつくのだと思っています。

 

本書から得るものが多すぎて、どう表現したらよいのか見当がつきませんが、日本の歴史の真実を知りたいと思われる方は、ぜひご一読いただければ本書の価値はわかると思います。

先日、同著者が書いた『日本はなぜアジアの国々から愛されるのか』を読んで、本書を読んだのですが、本書は前作品以上に日本の宝がたくさん詰まっています。

人によっては生き方が変わる、またそのきっかけになってもおかしくないこの本、以下に少しだけ紹介してみたいと思います。



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本書の内容と構成

 

「想像してみたらいい。日本の存在しない世界を」
『日本はなぜアジアの国々から愛されるのか』の著者が贈る第2弾!
日本は侵略者か解放者か?アジアの人々が教えてくれた本当の自画像

第1章 日本が戦わなければ世界はどうなっていたか
◎ ペリリュー島――1日でも長く日本を守りたかった
◎ 硫黄島の戦い――すべての英霊が祖国に帰るまで……ほか

第2章 アメリカは日本に何をしたか
◎ 敗戦――GHQとの暗闘
◎ 占領政策――今も残る「敗戦後遺症」……ほか

第3章 アジアの人たちは日本をどう思っているのか
◎ ミャンマー――独立の志士はメイド・イン・ジャパン
◎ パラオ――「初めて教育を与えてくれたのは日本です」……ほか

第4章 日本が嫌いな日本人へ贈る「日本の愛し方」
◎ 国旗・国歌が嫌いな日本人
◎ 自国の神話を学ばない民族は滅びる……ほか

[特別対談] 池間哲郎×清水克衛(書店「読書のすすめ」店主)

これが歴史の真実、アジアの真実だ!

池間哲郎(いけまてつろう)
一般社団法人アジア支援機構代表理事、認定NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事、カメラマン、沖縄大学非常勤講師(国際ボランティア論)、「日本 塾」塾長。

昭和29(1954)年沖縄県生まれ。文部科学大臣奨励賞、カンボジア王国外国人最高勲章をはじめ、国際支援に関する数多くの賞を受賞。平成 24(2012)年より「日本塾」を主宰

※引用:Amazon『世界にもし日本がなかったら』

本書は約230ページあり、大きく4章に分かれています。

特に国際法上問題がなくてもマッカーサーの私怨で処刑された人物の話など、アメリカにとって知られたくない貴重な話が多く載っています。

このような知られざる偉人は、本書ではコラムで取り上げられており全9人の偉人が紹介されています。

知らない人物ばかりだったので大変勉強になりました。

 

また、天皇皇后両陛下がサイパンに慰霊に訪れた際に、K国人住民たちの天皇陛下に対する無礼な行動を押さえるべく、抵抗運動をおこしてくれたおばちゃんの話もとても興味深く読みました。

日本人の知らないところで日本を守ってくれる外国人がいることに感謝ですが、このよう話は絶対にメディアでは取り上げられません。

以下に、私が特に参考になった第1,2章を中心に、感じたことなどを書いてみたいと思います。



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著者が主張していること

本書のタイトルは、『世界にもし日本がなかったら』ですが、冒頭でマレーシア・マハティール首相(4代目)の演説の一節が紹介されています。

「日本の存在しない世界を想像してみたらいい。もし”日本なかりせば”ヨーロッパとアメリカが世界の工業を支配していただろう。

欧米が基準と価格を決め、欧米だけにしか作れない製品を買うために、世界の国々はその価格を押し付けられていただろう」(欧州・東アジア経済フォーラム、香港、1992年10月14日)(7ページより)

この言葉はアジアの植民地時代の現実を知っているからこその言葉だと思います。

 

著者いわく、

私は別に、白人を憎めと言っているのではありません。私たち日本人も有色人種の国家、国民であるならば、アジアの国々の植民地時代500年の歴史をしっかりと知るべきだと思うのです。(8ページより)

著者はボランティアの傍ら、戦争を実際に知る人の貴重な話を聞いて回っているそうです。そのような方ももうかなり少なくなってきたとのこと。

私も先の長くない父から、今のうちに幼い頃のことなどを聞いておかなければと思いました。



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北海道を守った占守島の戦い

 

占守島位置図
赤い部分が占守島です。画像はウィキペディアより。

 

占守島(しゅむしゅとう)の戦いを知っている方はほとんどいないと著者は嘆きます。

北海道民をソ連から守った戦いですが、北海道民でさえこの戦いを知らない人が多いとのこと。

この戦いにつて少し解説したいと思います。

戦争終結2日後の8月17日深夜、卑怯なソ連は千島列島の占守島へと侵攻を開始。日本軍は武装解除し、降伏の準備も終えていた。

突然の侵攻は青天の霹靂(へきれき)。圧倒的な武力、最新型の戦車、飛行機、軍艦と共にソ連軍が押し寄せる。そして、そのまま北海道を盗ってしまう策略であったことは間違いない。(86ページより)

ここで日本軍は武装解除していましたが、毅然としてソ連と戦います。

特に池田末男隊長が率いた戦車部隊「士魂(しこん)部隊」の活躍が凄まじかったそうです。

ソ連侵攻の連絡を受けた池田隊長は部下全員に、白虎隊たらんと浴するか、もしくは赤穂浪士のごとく後日に再起を期するかを選択させ、白虎隊たらんとする者は手を挙げよ、と聞くと全員が手を上げたといいます。

戦いは凄まじかった。弱小日本軍、それも武装解除後にもかかわらず、圧倒的武力のソ連に一歩もひるむことなく戦い続け、そして、敵を叩き潰す。

ソ連は3日で占守島を落とし、そのまま北海道へ侵攻予定だった。日本軍が守り通したからこそ食い止めた。

この戦いがなければ北海道はソ連に占領され、道民は本土から分断され、ソ連支配の民となっていた可能性は高い。

北海道を守るために多くの日本兵が命を捧げる。池田隊長も自身が乗る戦車と共に、8月18日、壮絶な死を遂げた。(87ページより)

士魂部隊の士魂とは、十一戦車隊のこと(十と一で士)で、その部隊名は最大の栄誉をこめて今も自衛隊に残っています。

 

これには後日談があり、この占守島の戦いの指揮官は樋口李一郎陸軍中将。ユダヤ人救出のオトポール事件(ソ連、満州国境沿いのオトポール駅にナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人が殺到。樋口中将はユダヤ人を救済するために奔走し、上海租界への移動を斡旋した)でも活躍した人物でした。

ソ連は樋口中将に対する恨みが強く、なんとか戦犯として処刑するために画策します。

 

その時世界ユダヤ協会がその動きを察知。世界的規模で救済運動が広がっていきます。

その結果、アメリカのマッカーサーはソ連の引き渡し要求を拒否、ソ連はとても悔しがったそうです。

ユダヤの力は強いですね。

 

感想&まとめ

本書には、日本人が知っておかなければならない逸話がたくさんありますし、君が代や国旗についての基礎知識もあるので、私のような初心者でもとてもわかりやすい本でした。

あとがきの対談で、この本は教科書になってもいいと清水克衛氏が話していましたが、私もそう思います。

それくらい内容の濃い本でした。著者の素晴らしいご活動に感謝です。

近いうちに高齢の父親から、戦時中の話などを聞いてみようと思います。

 









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