甲状腺機能低下症~ダウン症の子の症状と検査、処方薬について

薬


 

ダウン症の息子には甲状腺機能低下症(クレチン症)があります。

今回の甲状腺の検査は前回と値がほぼ同じだったので、今までの薬で問題ないとのことでした。

こちらでは甲状腺機能低下症についての説明、その症状が見つかったきかっけや経緯、また処方されている薬などについて書いていきたいと思います。

 

甲状腺機能低下症について

甲状腺機能低下症とは

甲状腺は私自身、どんな役割をするものなのか最近まであまりよく理解していませんでした。

育児は少し前まで家内にまかせっきりだったので、これは単なる勉強不足です。。

息子の場合は先天的なものなので、先天性甲状腺機能低下症になります。

いわゆるクレチン症のことですが、こちらの方が歴史的には古いことから「クレチン症」という呼び名の方がメジャーになっているようです。

※下記リンク先が甲状腺機能低下症にとても詳しいです。

→ 成育疾患の患者さんとご家族のための情報サイト【こども健康倶楽部】

 

以下勉強がてら、ウィキペディアから説明文を引用してみます。

◆甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌量(活性)が不十分となる疾患である。代謝内分泌疾患の一つ。先天性のものや幼少時発症のものは、発達上の障害が大きな問題となるため特にクレチン症という。

◆病態
甲状腺ホルモンは全身のエネルギー利用を促すホルモンである。エネルギー需要に応じて甲状腺から分泌されるが、本症ではこれが不足するので全身でエネルギーを利用できず、神経系、心臓、代謝など各器官の働きが低下する。

◆症状
全身がエネルギーを利用できなくなるため、症状は多岐にわたる。 主な症状は、強い全身倦怠感、無力感、皮膚の乾燥、発汗減少、便秘、 上下肢、脇、眉の外側の脱毛、声がかすれる、聴力の低下、目に光がなくなり,顔もぼってとする,鍵の開け閉めなどできにくくなる、体重増加などである。

全身の活動が低下し無力感を持ったり低体温になる。皮膚の活動の低下により発汗が減少、それに加え低体温であるため皮膚が乾燥する。

~中略~

腸管も活動が低下して便秘になる。活力の低下により精神活動も緩慢となり、偽痴呆を呈することがある。心臓も活動が低下して徐脈になる。心臓への粘液状物質の沈着も見られ、不整脈の原因となる。

本症で最も問題となる症状は早老による動脈硬化などである。 また子供のクレチン症の場合は生育に必要な甲状腺ホルモンが欠如するので、発育障害や知的障害にいたる場合がある。

甲状腺機能低下症のその他の症状のうち、うつ症状、鼻閉、便秘/腸閉塞、多関節炎が非定型的で見逃されやすく、注意を要する。

※引用:フリー百科事典ウィキペディア



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ダウン症者の甲状腺機能低下症について

あらためて甲状腺のことを勉強して、考えることは多いです。

特にダウン症者の寿命が短い件。

現在は医学が発達して50歳以上生きる方が多くなっているそうですが、健康な状態でそこまで生きられるかどうか。。

 

ネット上には20歳以上のダウン症者の死因で一番多いのは脳血管疾患というデータもありました。

脳血管疾患の原因の多くは調べてみたところ、やはり上記引用でも指摘されていた動脈硬化

老いとともに動脈硬化が進んでいくのは仕方ないところですが、甲状腺機能低下症で、老いが早まることはとても悲しいです。

 

我が子の場合

甲状腺機能低下症だとわかったきっかけ

ダウン症の息子の場合、生まれた当初から甲状腺機能低下症を疑われていました。

それは甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値が正常値より少し超えていたからです。

ただ当面は様子見ということになり、薬を処方されたのは3歳過ぎになってからでした。

きっかけはTSHの数値がとても上がったからです。

そのときの数値は15!

正常値が0.35~4程度なので、これはかなりの異常値と言えます。

ちなみに今は薬でおさえて約3.5になっています。

 

当時先生から、15は異常なので薬(チラージンS)を今すぐ開始した方が良いと言われました。

すぐには正常値には戻りませんでしたが、薬は体重によって増えていきますので、数値を見ながら先生に薬の量を調整してもらいました。

やっと正常値で安定したのは7歳位。

それからは少しずつ体重は増えていますが、薬の量は変わっていません。

 

薬を減らす方向で考えていたのですが・・・

半年前に正常値での安定が数年続いていたため、薬を減らす方向で考えようという話になりました。

でもその次の診察の時に数値が5を超えてしまったことから、その話は無くなってしまいました。

息子のTSHの上がり下がりの傾向は、冬に数値は上がり、夏には下がるのが常になっています。(この前、数値が上がって薬を減らせなくなったのも1月でした)

この辺りは息子の特徴なのか甲状腺機能低下症全般の特徴なのかはわかりません。



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処方された薬について

チラージンS錠」という薬をずっと処方されています。

「錠」となっていますが、実際には息子は錠剤では噛んでしまったりうまく飲み込めないので、薬局で砕いて粉にしてもらってます。

この作業は診察が終わってからなので、薬の待ち時間が普段より30分くらいかかります。

処方される量は体重によって違ってきますが、ここ3年程は割りと安定しているので、体重が増えてはいるのですが、25μgでキープしています。

それにしても単位がマイクログラムっていうのが凄いです…

 

薬と一緒にもらった薬の説明の書類には、効能・効果として、

甲状腺ホルモン剤。甲状腺機能低下症などに用い、不足している甲状腺ホルモンを補い、新陳代謝を高める

とありました。

 

以前、他の病気に疑われたことも…

息子は血液循環が悪いので、しもやけを通り越して凍傷になることが時々あります。

甲状腺機能低下症があり凍傷になるということは、膠原病(こうげんびょう)を疑われるらしく、その検査も以前したことがありました。

結局、膠原病ではなかったのですが、息子は多くの合併症を持っているのでときどき思いもよらない検査を受けることが時々あります。

家内の話では、念のためサーモグラフィーでも息子を撮ったそうですが、やはり手の甲から先と足首から先は真っ青だったらしいです。。

※膠原病についてはウィキペディアより下記サイトの方がわかりやすいかも。

→ 膠原病Q&A
医療法人香川クリニックHPより

 

まとめ

小児慢性特定疾病の範囲が拡大されたのは記憶に新しいですよね。

その時にダウン症も入ったので、息子の医療受給者証は「先天性甲状腺機能低下症」から「ダウン症候群」に変わりました。

以前疑われた膠原病も、小児慢性特定疾病に入っています。

すでに症状があるもの、また疑われるものでさえも息子の場合、結構重度な疾病が多いので、今後も気を抜けないなとあらためて思いました。

※甲状腺ホルモンについては下記サイトが具体的でわかりやすかったです。

→ ◆甲状腺ホルモン(TSH)検査の基準値・正常値のまとめ♪(もくじ)
検査ぶっく♪より