ダウン症の特徴と行動がよくわかる本~『ダウン症のおともだち』

ふしぎだね!?ダウン症のおともだち


 

◆ダウン症の特徴と行動がよくわかる本~『ダウン症のおともだち』

今回は『ふしぎだね!?ダウン症のおともだち』という本を読んでみました。

この本はダウン症児の不可解な行動を、ダウン症特有の特徴を明らかにした上で、その理由と対処法を解説している本になります。

子どもにも理解しやすいようにマンガが使われていますので、とても読みやすい本でした。

ダウン症の子を育児していることもあって今更感があったのですが、読んでみると意外に参考になることが多かったです。

いかにマンネリ化していたかがわかるのですが(汗)、以下にこの本について思うことなどを書いていきたいと思います。



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発達と障害を考える本5『ふしぎだね!?ダウン症のおともだち』について

この本の概略

内容と著者については下記引用が参考になります。

内容(「BOOK」データベースより)
この本は、ダウン症について知らなかった人にはダウン症とは何かを知ってもらい、近くにダウン症のおともだちがいるという人 には、少しでもその人を理解してほしいとの願いから作られました。ダウン症のおともだちの行動を通して、具体的にどんな障害なのかをしょうかいしています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
玉井/邦夫
千葉県生まれ。東北大学大学院を修了後、情緒障害児短期治療施設にセラピストとして勤務。1990年から山梨大学教育人間科学部障害児教育講座に移り、現 在助教授。担当は知的障害児心理学と情緒障害児心理学。自身、ダウン症の長男をもつ。1996年から財団法人日本ダウン症協会の理事長(本データはこの書 籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

※引用:Amazon『ふしぎだね!?ダウン症のおともだち』のページより

 

この本の著者は、日本ダウン症協会理事長の玉井邦夫先生。

ダウン症に関してメディアにも多く出演されていらっしゃる著名な方です。

著者ご自身、ダウン症の子どもを育児されているご経験からか、この本はとてもあたたかい仕上がりになっています。

この本はミネルヴァ書房のシリーズ本『発達と障害を考える本』の5番目の本。

私には適応障害の子もいることから、全12冊のこのシリーズは、ダウン症の子と合わせるとほとんどわが家に関連のある本ばかりです。

念のため、その12冊を下記に並べてみたいと思います。

第一期
1.自閉症のおともだち
2.アスペルガー症候群[高機能自閉症]のおともだち
3.LD (学習障害) のおともだち
4.ADHD (注意欠陥多動性障害) のおともだち

第二期
5.ダウン症のおともだち
6.知的障害のおともだち
7.身体障害のおともだち
8.言語障害のおともだち

第三期
9.聴覚障害のおともだち
10.視覚障害のおともだち
11.てんかんのおともだち
12.発達って、障害ってなんだろう?

 

私の子たちに直接関係ないのは11番のみ・・・

ダウン症の子に関係する第二期の4冊は必ず読んでおこうと思います。



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この本を読んで感じた事

『ダウン症のおともだち』は大きく2章に分かれています。

1章はマンガ形式で小学校の教室が舞台。

そこではダウン症の子6人が教室で引き起こす騒動について描かれていますが、全5パターンの騒動を楽しむ?ことができます。

ダウン症の子によくみられる行動の特徴がうまく捉えられていて、なぜダウン症のともだちはそういった行動をとるのか、そして周りはその子にどう対応していけばいいのか、順序良く解説されています。

 

2章では文字数は多くなりますが、ダウン症についての説明、行動の特徴、手助けのポイントなどが書かれています。

その他ダウン症の人について、「小学校入学前」、「大人になるまで」、「大人になったら」、というそれぞれのステージでの成長の仕方、通う学校、将来の仕事について注意点などが書かれています。

また参考サイトや資料の紹介、保護者へのメッセージなど、本の構成は完璧だと思いました。

 

これ以上わかりやすいものは見たことがありませんので、すべての図書館に置いてほしい本だと思います。

保護者が読んでもとても参考になる本です。

 

わが子と共通なところ

私の子はダウン症の中でもかなり程度が重いほうなので、マンガの舞台になっている普通小学校には通っていません。

その意味ではこの本のシチュエーションとは違いますが、書いてある特徴は合点するところが多く見つけられました。

 

あるダウン症の子はマラソンの練習を一緒にやらないので、ともだちが一緒に走ろうとその子の腕をひっぱったら、ダウン症の子はともだちをたたいてしまいます。

シチュエーションは違えども私の家庭内ではよくある光景です。

あと、腕組みして動かないところも似てました。

私の子の場合も気持ちの切り替えがうまくできず、自分の集中していることをやめたくないので、促されても強い拒否反応を起こしてしまうんです。

 

毎日の生活の中では時間の関係もあって何かと親主導になるのですが、対処法についてこの本であらためて気づかされることは多かったです。

どんなに子どもを合わせようとしても、なかなか親の思い通りになりませんよね。

ではどうやってすり合わせしていったらいいのか。

そこのところが子育てをしていくうえで非常に難しいところだと思います。

 

わが子の場合一人でトイレや食事ができないので尚更イライラすることもあるのですが、うまく折り合いをつけて子どもを育てていかなくてはとあらためて思いました。

一度はわかったつもりのことでも、何度か学びなおさなければ忘れてしまうことは多いです。

時々はこういう読みやすい本を使って自分のチェックをすることも大切だと思いました。

 

まとめ

この本を読んでいると、結構ダウン症の子の特徴は多いんだな~と今更ですが思います。

手助けするポイントも含めればチェック項目はかなり多くなるので、時々は見直してできているかどうかチェックしたほうがいいのかもしれません。

ダウン症は合併症で他の病気も持っていることが多いので、行動の本質が見えないことも多く、意外なことが原因だったこともよくあるところです。

適応障害のある子もいることから、このシリーズの本には一通り目を通しておこうと思いました。

 

関連書籍

本当はあまり知られていないダウン症のはなし―ダウン症は「わかって」いない (LD協会・知識の森シリーズ)
※玉井邦夫先生の人気本です。次はこちらを読もうと思っています。

ダウン症ハンドブック 改訂版 家庭や学校・施設で取り組む療育・教育・支援プログラム
※購入を検討している本です

ふしぎだね!?知的障害のおともだち (発達と障害を考える本)
※今回の本と同シリーズ。『言語障害のおともだち』も読みたいです

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