先月から、やっと家族関係について時間をとって考えるようになりました。
というのも、上記リンク先にあるように私自身、今までそこのところを適当に逃げていたところがあったからです。
ダウン症の子がいることで、家族のバランスが崩れたことは事実です。
でもそれを乗り越えないと我が家の幸せは無いと思います。
そして私たちはたぶんまだその壁を乗り越えていません。
ダウン症の息子のために、何をしてやれるのか。
まだ言葉が出ない、そして一人で歩けない息子には、やはり家族で過ごす時間が大切だと思います。
特にその中でも「おでかけ」はかなり重要になるはずなので、今回はおでかけを中心に思うことなどを書いてみようと思います。
息子は頚椎がずれているので、歩くときには付き添いが必要です(転んだら死も覚悟してくださいと言われています)。
足が悪いので長時間は歩けないし、体温調節も上手ではありません。
その上時々パニックで暴れるし、言葉はしゃべれないなどなど、一緒に行動してもフォローしきれない部分が多く、おでかけの範囲も限定されがちです。
こちらでは、最近息子と出かけて思うことや実際に起こったトラブル、パニック対策などについて考えてみたいと思います。
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ダウン症の子とのお出かけについて
それでは息子とのおでかけを中心に、私の思うところなどを書いていきます。
行き先について
どこへ行ったらいいのか。
まずいちばん悩むところはそこのところです。
そこを考えるのに時間がかかってしまうとつい面倒になってしまい、結局家で過ごしたり、とりあえず車に乗って硬直する(笑)ということが結構あります。
これは子どもの体の問題もあり、致し方ないところもあると思うのですが、周囲に対する息子の反応にも大きく関わってくるところなのでいつも悩みどころです。
例えばショッピングモールに行っても、外食するにしても、出先で予想できないパニックを起こすことがよくあります。
それが体調次第でパターンがさまざまに変化するので、対応には本当に疲れます。
だから家族で買い物に出かける場合、家内と上の子が買い物に行き、私と息子が車の中で留守番をしていることも多いです。
あきらかに機嫌がいい時は自分も息子を連れ出しますが、パニックが起こりそれがおさまらなければ、結局私と息子だけ車に戻るということになってしまいます。
閉鎖的な商業的空間の中では客の目を引くための様々な情報が音も含めて氾濫しています。
以下は想像になりますが、それが息子の目に入りすぎたり、人混みが多いこともあってパニクってしまうのだと思っています。
このことからひどい時には目的地もなく、「取りあえず車を走らせてみるか」となることも少なくありません。
だから行き先は動物園や遊園地、その他公園や花が咲いているところなどの屋外施設に流れてしまうことが多いです。
それでも暑くなると工夫しても体温調節が難しくなるので、夏場は外出先にいつも気を使います。
実際にあったトラブルなど
お出かけして時々トラブることがあるのですが、その中で代表的なものを2つだけ書いてみたいと思います。
1.ショッピングセンターでのこと
息子の服を買うときに、合わせたいなと思い店内に連れていくことが時々あります。
その他シチュエーションでは、夫婦で買うものを話し合って決めないと行けない時、息子を預かってくれる人がいないのでどうしても一緒に連れて行くことになってしまいます。
実際に何度かあったのですが、途中で原因不明のパニックを起こしてしまったとき、車いすの側面に反動をつけて頭を打ち付けたり、足の装具(すねの部分に金属補強が入っている)を勢い良く蹴りあげて、自分の頭に直撃させるんです。
ダウン症の子は基本的に身体がやわらかいので、そういうことができてしまうのですが、周りの人が見るとかなり驚くことになります。
またそうなった時、息子が静まるまでずっと押さえるのですが、その時に腕を強い力で引っ掻いたり、つねったりするので腕に傷を追うことも少なくありません。
家だったら声を上げて叱ったり、少し叩いたりして押さえることも出来るのですが、公共の場ではそれも出来ず、ただやさしくなだめながら耐えるだけ。。
家内の方が力が弱いので、一時期は両腕が生傷だらけになっていることがよくありました。
今は私が仕事に出ていないので私のほうが多いかも。
2.外食でのこと
回転寿司に行った時のこと。
息子は店内の椅子に座りたがらないので、車椅子のスペースを開けてもらって車椅子で食べさせていました。
そうしているうちに、自分の欲しいものがすぐに食べられないからなのか、暴れて近くの柱やテーブルにガンガンと頭をぶつけだしました。
そうなると修羅場です。
みなさんお金を出して食事を楽しまれているので、店の営業妨害にもなりかねず、私が息子を抱えて店外に出てそのまま車でなだめることになりました。
それ以来、外食は怖いので避け続けています。。
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息子を見る子どもたちの目
息子は見た感じかなり異様な風貌なので、大人はさておき特に子どもがすごい目で息子を見つめます。
息子にとっては多分このこともストレスの一つになっているのだと思います。
親は気を使って見て見ぬふりをしてくれるのですが、子どもはやっぱり正直ですね。
どこに行っても子どもたちの息子への視線はまるでヤリのような感じです。
私は立ち位置なのでそれを見下ろす形になるのですが、息子の場合は相手のほうが視線が上になるので余計にストレスになるのではないかと想像しています。
こればかりはどうしようもないので、できるだけそういうシチュエーションになりにくいように気を使うしかありません。
私自身、当初はそれを見て凹んでいたのですが、今は慣れたのかあまり気にならなくなりました。
それよりも今はパニックを起こさないか気を使い続けることが多いです。
パニック対策を考える
パニック対策は今のところ良いものが思いつきません。
おでかけ先を決めるときには、基本屋外、そのほか人が多くても開放的なところ(フェスティバルなど)にしているくらいです。
暑くなってきたら、クーラーの効いている屋内施設、例えば水族館を時々利用できればと思います。
ただ最寄りの水族館が結構遠いので、その点が毎年悩みどころ。。
図書館、美術館、ショッピングモールなどでおとなしくしてくれれば良いのですが…。
外食については、一人で食べられないためそこそこ広いスペースのあるところが前提になります。
そこでパニックを起こさないようにさせること。
それには慣れやある程度の練習が必要だと思うのですが、それについては先日あるヒントを見つけました。
どうやって外食の練習をさせるか
先日、岡山大学病院に連れていくことがありました。
岡山大学病院には、セルフですが美味しいメニューが並んでいるレストランが入っています。
今までは病院に行った後の昼食は、売店やコンビニなどで買ったおにぎりやサンドイッチを車中で食べさせていました。
でも病院内ならある程度は理解してくださる方も多いように思います。
だから病院へ行った時の昼食は、出来るだけ病院内のレストランを使うつもりです。
病院内に食事できるレストランがあるところは少ないと思いますが、岡山医療センターでもそういう場所がありますので、その辺り岡山はいいな~とうらやましく思います。
倉敷中央病院は家からまだ近いのですが、フードコートっぽいものしかありません。
それはそれで開放的でいいのですが、こちらも息子の外食の練習目的で利用していきたいと思います。
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まとめ
このように、息子を外出させるときはいろいろと気を使うことが多いです。
ただ、これを親としてどうとらえるか。
このところが非常に大切だと思います。
私はこの世の中は子どもを含めてお互い様だと考えるようにしています。
例えばもし、障害がある息子が流産していたら(染色体異常の胎児はほとんど流産してしまうので)、と考えると今ほどいろんな事で悩むことは無いかもしれません。
でもその反面、今以上に幸せになれたかどうかは我が家の場合、正直怪しいです。。
また息子を育てていると、ふとしたことで大切なことに気づかされる瞬間が時々あるんです。
そのことは、私自身の大切な人生の中で案外大きな意味を持つようになるかもしれません。
先日、尾道の千光寺公園展望台に息子をおぶって登った時のこと。
気がついたのは、息子にこの眺望の良い景色を見せてやれるのは私しかいないということでした。
家内では体力的に難しいし、息子が暴れるのをおんぶしながら止められるのは他の人では難しい。
展望台に上がってその眺望にはしゃぐ息子を見ていると、この子を心からかわいいと感じられる人間はシビアに考えて今のところ家族3人しかおらず、その中で私がしてやれることはとても多い。
だからこの子よりも先に死ぬことは出来ないので、健康には十分気をつけようとか。。
色々と書きすぎてまとめになっていませんが、直近の課題を一つだけ。
私たち家族はもうすぐ父母を連れた1泊旅行にでかけます。
旅行先を選ぶときには息子の障害に対応してくれる旅館にこだわってしまうのが現実です。
今までこだわってきたのが、部屋食(夕食)が出来ることと風呂付の部屋であること。
これを満たすリーズナブルな旅館ってとても少ないんですよね。。
今回はある島に行く予定なのですが、部屋食の出来るところが見つからず、風呂付の部屋も取ることが出来ませんでした。
とりあえず、食事の際には一番奥の席を用意してくれるように取り計らってくれるようですが、トラブル時はそれが裏目にならなければと願っています。
この旅行までに、出来るだけ外食の機会を作って少しずつ慣らしていければ理想です。