東野圭吾原作、映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を観に行きました。
今回は原作を読んでから観たのですが、結論から言うと観て正解。
時間の縛りがある映画では、この原作はストーリー的にまとめるのが非常に難しいだろうと、半ば期待せずに観に行ったのですが、良い方に期待が裏切られ、結果原作の理解をさらに高める結果に…。
一緒に行った発達障害の娘は原作を読んでいなかったのですが、「人に説明はできないけど(自分も出来ませんが…)面白かった、観て良かった」と話してました。
以下、この映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 について簡単にまとめてみたいと思います。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はどんな映画?
映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 は、東野圭吾の同名ベストセラー小説を、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介とベテラン俳優・西田敏行の共演で実写映画化されたものです。
過去と現在が繋がる不思議な雑貨店を舞台に、現実に背を向けて生きてきた青年と、悩み相談を請け負う雑貨店主の時空を超えた交流を描いています。
日本公開は2017年9月23日でしたが、その前に中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシアでの公開が決定し、さらに釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への正式出品が決定しているという、今話題の映画です。
以下、映画.comから、映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 のあらすじを引用してみます。
2012年。養護施設出身の敦也は、幼なじみの翔太や幸平と悪事を働いて1軒の廃屋に逃げ込む。そこは、かつて町の人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」だった。
現在はもう廃業しているはずの店内で一夜を過ごすことに決める3人だったが、深夜、シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれたことに気づく。
投げ込まれていたのは1980年に書かれた悩み相談の手紙で、敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くことに。
やがて、この雑貨店と浪矢の意外な秘密が明らかになり……。監督は「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一。
余談になりますが、この映画には佐藤浩市の息子、寛一郎が出演しています。
3人の少年役の中では1番目立たない役柄なのですが、佐藤浩市の父・故三國連太郎も大俳優でしたので、寛一郎は3世ということになりますね。
寛一郎、俳優の道以外なかった 「佐藤浩市の息子」という名 #寛一郎 #ナミヤ雑貨店の奇蹟 #インタビュー https://t.co/sU6JKYSCvP
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2017年9月24日
映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 の見どころは?観て外さない人は誰?
見どころは様々あると思いますが、私はズバリ、ラストに向かってストーリーがどんどんつながっていく快感、でしょうか。
その点に関しては主観ですが、原作よりもわかりやすくスッキリとしていたように感じましたし、観終えたときの満足感も非常に高い映画でした。
原作では時系列的にいくつもの伏線があり、それらをラストで見事にまとめられていたのですが、映画ではそのラストシーンに更に手を加えて、原作よりも気持ちのよい終わり方になっていたと感じます。
余韻がとてもいい感じに残るので、あの4人はこれからどういう人生を歩むのか、思わず誰かと話したくなること請け合いです。
人によって好き嫌いがはっきり分かれる映画だと思いますが、原作のストーリーを損なわずに制作されていますので、少なくとも東野圭吾ファンにとっては、とても面白い映画になると思います。
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原作と違うところは?
冒頭とラストは原作と明らかに違っていましたが、全体を通して原作の世界観と違和感はなく、忠実に原作の世界観を再現している映画だと思いました。
実は観始めた数分間で、観に来て失敗だったかな?と思うシーンがいくつかあり、違和感は最初だけかなりあったのですが、ほどなくして過去の世界が現れると、そこから徐々に映画に引き込まれていきました。
それだけに冒頭の作りの雑さが個人的にはかなり惜しいところだと思います。
少しだけ具体例をあげると、追われている少年たちが懐中電灯を周囲に照らしまくったり、音を立てまくったりするところなどで自分はドン引き。
しかしながら全体の評価は星に換算すると原作を読んでいるということを前提にして、5点満点の4点以上はありました。高得点だったことに間違いありません。
その他、西田敏行演じる「ナミヤ雑貨店」のおやじは、原作ではあまり出てこない印象があるのですが、映画では終始存在感がありましたので、その点が良い意味で違って良かったと思います。
映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」感想
予告編では「泣ける映画」とされていましたが、うるうるきたところは何回かあったものの、涙を流すまでには至りませんでした。
周りの人も雰囲気的にそのような感じだったように思います。
ただ、感動する映画に間違いはなく、観て良かった映画の一つになりました。
個人的な感想ですが、予告編を見る限りではイケメン俳優が目立っていたので、演技力などでかなり心配していましたが、実際には山田涼介の演技が予想以上に良く、存在感があったのが印象的でした。
特に不幸な生い立ちを仲間から指摘されて喧嘩になるシーンは、この映画の中でも特に印象に残るシーンの一つです。
映像面で印象に残ったのは、対象人物の心が動く時には決まって長時間、カメラが回り続けるところ。
特にナミヤの親父が病気になって息子夫婦が医者にあることを告知されるのですが、その後2人が会話するシーンなんかは特に長く、それゆえ監督のこだわりが強く伝わってくるように感じました。
この映画の目玉の一つでもある山下達郎の楽曲「REBORN」(リボーン)は、山下達郎がこの映画のために1ヶ月半かかって作り上げた力作で、劇中では歌姫に扮する門脇麦が歌い、エンドロールでは山下達郎が歌います。
下記にPVを貼り付けておきますが、原作では「再生」と呼ばれていたこの曲も、とても雰囲気良く構成されていました。
その他どうでもいいことですが、一緒に見た母が、「ナミヤ」は「悩み」をもじったのではないかと言ってました。
実際はどうだかわかりませんが、確かに可能性はあるのかもしれません。