自閉症の特徴や行動がわかる本!東田直樹「自閉症の僕が跳びはねる理由」

自閉症の僕が跳びはねる理由


 

自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心 』(東田直樹著・エスコアール出版)はずっと読みたかった本でした。

うちの子はダウン症なのですが、自閉傾向を持っており、理解できない行動が多かったからです。

また著者と同じく、会話ができません。

といっても息子は奇声をあげるだけでまだ言葉はでてないのですが。。

この本を読んで少しだけですが、息子の立場に立って考えることができました。

 

それよりも、わたしが衝撃を受けたのは著者が書いた最後の短編小説

言葉では表現できないですが、かなり驚きました。

こちらではこの本を読んでわたしが感じたことなどを書いていければと思います。



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本の概要

まずは著者紹介から

東田 直樹(ひがしだ なおき、1992年8月12日 – )は、日本の作家・詩人・絵本作家。千葉県君津市在住。会話をすることができない重度の自閉症者である。またパソコンや文字盤などの助けを借りて自分の意思を外部に伝達することができる。

自閉症患者自身の意思伝達に成功し、自閉症患者が何をどう受け止め、なにを考えているかを、健常者に伝えることに成功した少ない中の一人であり、特に子供の年齢による著作は例がなく、多くの関係者に貴重な情報として受け止められた。

第4回・第5回『グリム童話賞』中学生以下の部大賞などを受賞。NHK『福祉ネットワーク』をはじめ、多数のテレビ番組で注目される。現在では自分の障害をテーマに全国各地で講演活動も行っている。

13歳のときに書いた著作『自閉症の僕が跳びはねる理由(英語版)』(2007年出版)が、2013年夏にデイヴィッド・ミッチェルらに英訳されて英国で話題となる。以後相次いで各言語に翻訳され、現在22カ国での出版が決まっている。

※引用:ウィキペディア「東田直樹」

 

わたしは自閉症に関しては、上の子の発症から意識しはじめたので、知識があまりありません。

この本は自閉症が何なのかという問いに、Q&A式でわかりやすくまとめています。

この本の構成は下記になります。

はじめに
第一章 言葉について
第二章 対人関係について
第三章 感覚の違いについて
第四章 趣味・関心について
第五章 活動について
短編小説 側にいるから
おわりに

全58に及ぶQ&Aが、5章に分けてまとめられています。

それぞれの章の最後には1~2ページのコラムが掲載されており、章ごとにほっと出来るように構成されています。

 

参考になったところ

わたしが参考になった箇所をいくつかメモしてみます。

怒られてしまった時には、またやってしまったと後悔の気持ちでいっぱいですが、やっている時には前にしたことなどあまり思い浮かばずに、とにかく何かにせかされるようにそれをやらずにはいられないのです。(20ページより)

 

自閉症の子供が、人の手を使って物を取ろうとするのも、距離感が分かっていないために、自分の手ではどれ位伸ばせばそれに届くのか、どうやればつかめるのかが、分からないからだと思います。(72ページより)

 

普通の人は気持ちが苦しくなると、人に聞いてもらったり、大騒ぎしたりします。
僕たちは、苦しさを人にわかってもらうことができません。

パニックになっても、大抵見当違いのことを言われるか、泣きやむように言われるかのどちらかです。

苦しい心は自分の体の中にため込むしかなく、感覚はどんどんおかしくなってしまうような気がします。(75ページより)

 

散歩が好きな自閉症の人は多いと思います。
それはなぜだと思いますか?(中略)

だけど、一番の理由は緑が好きだからだと、僕は思うのです。(中略)

なぜなら、緑を見ていると障害者の自分も、この地球に生きていて良いのだという気にさせてくれます。緑と一緒にいるだけで、体中から元気がわいて来るのです。(110ページより)

 

自閉症の人が繰り返しを好きなのは、自分のやっていることが好きだとか、楽しいからではないのです。(中略)

多分、脳がそう命令するのです。(中略)

僕がそれに従わないのならば、まるで地獄に突き落とされそうな恐怖と戦わなければならないのです。生きること自体が、僕たちにとっては戦いなのです。(124ページより)

上記はどれも息子に共通するところなので、今後に活かしていきたいと思います。

特におでかけは、緑がたくさんあるところを意識したいですね。



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まとめ

この本は、自閉症の著者が自らについて答えている、とても貴重な本だと思います。

また秀逸なのは、Q&A後の短編小説。

正直、期待はしてなかったんです。

本になるくらいなのでそこそこのものだとは予想していましたが、大幅にその予想を超えた作品でした。

30ページ弱なので、すぐに読めますが、奥がとても深いです。

 

テーマは、生死や死後の世界なのですが、わたしから見て不自然さが全く無く、もしかしてこういう世界を著者は見てきたのではないかと想像してしまいました。

以前、臨死体験についての本を読んだのですが、世界観がそちらとかなり似通っており、その意味でも気がついたらはまってました。

 

著者は童話作家でもあるとのことなので、自閉症とは関係なく、そちらの本も読んでみたいと思います。

この本と出会えてよかったです。