『超一流の雑談力 』(安田正著・文響社)を買いました。
雑談に関する本は今までにも何冊か読んでいますが、だいたい基本は出つくしている感があります。
ただ私はコミュニケーション能力が低い方なので、トランキライザー的にこの手の本を時々買っています。
例えば『嫌われる勇気』でも有名なアドラー心理学では、「人間の悩みは全て対人関係にある」と定義づけてますよね。
ということは、対人関係が解決すればおのずと悩みは無くなるはずです。
やはりストレスフリーを目指すには、雑談力が必須ということになりそうです。
著者の安田正氏は、コミュニケーション分野で大手企業を中心に1700社に研修を行い、一般社員の他に役職者1000人以上の指導実績を持っています。
『超一流の雑談力』では、ビジネスや人間関係の入口である雑談を、実用性、再現性のあるスキルとして確立させたとのこと。
本書では、雑談力を高めるテクニックについて、数々の実践例から確実に効果のあった方法を取り上げ、誰でも日常に取り入れられるように、具体的なアクションや指標に落とし込んでまとめました。
「実践的」「具体的」であることにこだわって紹介していますので、この中で1つでも2つでも、実生活に取り入れていただきたいと思います。(はじめにより)
とても期待できそうですね。
いったい『超一流の雑談力』とはどのような本なのでしょうか。
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本の概要
この本の構成は下記の通りです。
はじめに
第1章 「超一流の雑談」の始め方
第2章 何を話題にすれば、雑談は盛り上がるのか?
第3章 思わず心を許してしまう聞き方
第4章 出会ってすぐに距離を縮める方法
第5章 さらに距離を縮める二度目の雑談
第6章 相手によって話し方や話題を変える
第7章 雑談から本題への移り方
第8章 今日から始める雑談トレーニング
おわりに
第1~7章までの間に、38項目の雑談に関するノウハウが網羅されています。
各章最後には、参考になるコラム入り。
最終の第8章はトレーニングの章になり、
「レベル1:エレベーターで「何階ですか?」と聞く」~「レベル8:結婚式などのフォーマルの場で、おもしろい乾杯のあいさつをする」まで、8段階トレーニングが準備されています。
また、巻末特典として『超一流の雑談力』のフォロー用解説動画が、著者のウェブサイトに用意されています。
メールアドレスを登録するのが前提になるのですが、約40分弱の動画で著者が雑談について面と向かって話してくれます。
やはり著者の顔を見て話を聞くことは、モチベーションアップにつながりますよね。
より本の内容を理解できるので、とても良い企画だと感心してしまいました。
※余談ですが、メールアドレスの登録ボタンがファイアフォックスでは出てこなかったため、グーグルクロームで登録しました。
わたしの場合は、パスワード入りの返信メール到着まで数時間かかったので、自動返信ではないのかもしれません。
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勉強になった箇所
この本で面白いと思ったところをいくつかご紹介します。
まず、相手に質問するときに「なぜですか?」がご法度となっていたので、はっとしました。
なぜなら、わたしは話を広げるために、今までそれを使う傾向にあったからです。
確かに雑談の中での「なぜ?」という質問は、この本通り、相手に負担や圧迫感を与え、会話の流れも止めてしまいますよね。
もちろん相手がその話題についてよく知っているなら問題ないとのことです。
次はアメリカの心理学者の話。
アメリカの心理学者、ティモシー・ウィルソンは「人は初めて出会った相手を、最初の2秒で値踏みする」と研究で明らかにしました。
人間は無意識のうちに、たった1秒間で1万4000もの視覚情報を取り入れて、「正直そう」「優しそう」「誠実そう」「頼りなさげ」「暗そう」といったおおよその印象をつくります。会った時点で、好き嫌いのだいたいの印象は決まる、ということです。(122ページより)
とても面白かったのが「慈愛の表情」。
これは、雑談の中であえて沈黙する場面があるのですが、その時に使う表情とのこと。
例えば自分が相手に大きな提案をして、相手が熟考しているとき。
その時は、緊張や不安に耐えられずつい言葉を出したくなるのですが、絶対にダメとのこと。
終始、慈愛の表情をして相手をやさしく見守るそうです。
わたしだったら多分引きつった笑顔で相手を見ていると思いますね…。
そうそう、面白いのはその慈愛の表情にはモデルがあるということです。
「沈黙を恐れず、慈愛の顔で待つ」とお伝えしましたが、「慈愛の顔」を表現するのにうってつけの人物がいます。
それはジャズピアニストのカウント・ベイシーです。(201ページより)
少し本の写真とは違うのですが、カウント・ベイシー はこんな顔をされてます。(Amazon画像ですみません。。)
かなり難易度高そう…。
でも、このネタだけでも、この本を買って良かったと思います。
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押さえておきたいメディア
この本に紹介されていた、おさえておいたほうが良いメディアです。
紙媒体のものは一般によく紹介されているものばかりですが、テレビが少々参考になりました。
・新聞
勤め人なら最低日経新聞。より質の高い情報を探すには日経産業新聞がおすすめ。
日経産業新聞は専門誌ですが、手に入れやすく、その割に読んでいる人が少ない。さらに、さまざまな業界の情報がバランスよく載っていて難易度もちょうどいいのです。(70ページより)
・雑誌
著者いわく、「プレジデント」や「日経ビジネス」あたりをおさえておくと仕事の雑談には丁度いいとのこと。
※私ごとですが、「週刊ダイヤモンド」は一番読まれている雑誌と言われ、情報の質も日経のようにスポンサーによるしばりがあまりないため、情報としても面白いと聞いてます。
これに加えて、「週刊文春」「週刊新潮」なども、大衆的情報が入ってくるのでおさえておきたいとのことでした。
・テレビ番組
ビジネスものでは「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」、生活情報なら「ためしてガッテン」
まとめ
カウント・ベイシーにははまりました。
でも、雑談って話題や声も大事ですが、表情もかなり大切だと思います。
今まで雑談の本をいくつか読んだことがあるのですが、表情は分野が違うのかあまり書かれていないような気がします。
今回の本は、良し悪しの表情や、カウント・ベイシーの写真などが掲載されていて、一歩踏み込んだ本になっていると思います。
動画でのフォローも用意されているので、今後書籍はどこまでのサービスが可能なのか、そちらの方も気になりました。
読んで良かったです。